新型コロナウイルスの感染拡大によって、経済活動が大きく落ち込むとともに、転職市場に大きな影響を及ぼしています。

事業縮小やリストラを行う企業が増えて、採用を控える動きも目立つようになっています。

現在、転職を考えている方にとっては、大きな不安要素ですよね。

そこで、この記事では、転職コンサルタントとして、さまざまな求職者からの相談を解決してきた私が、

「コロナウイルスは、転職市場にどう影響しているの？」
「そもそもこの状況下で転職活動しても大丈夫？」

といった疑問に答えます。

1.業種によっては今がチャンス！現在の転職市場

結論として、今は世界経済が大きく落ち込んでおり、転職を希望する人の多くは厳しい戦いを強いられるでしょう。

しかし、業種などを上手く選べば、転職を成功させることも可能になります。

この時期に採用を強化している業界は、

• IT・情報通信業界
• ベンチャー・中小企業
• 感染拡大により需要が高まっている企業

の3つです。

では、それぞれ解説していきます。

1-1.IT・情報通信業界

IT・情報通信業界は現在採用を強化しています。

なぜなら、リモートワークが行いやすく、テレワークの普及によって、オンラインツールなどのビジネス面での需要が増加しているからです。

特に、コロナショックの状況下でも、ZoomやSkypeを用いたオンライン面接を実施することが出来るので、外出自粛が叫ばれてい

る中でも転職活動が行いやすい業界になっています。

1-2.ベンチャー・中小企業

大手企業が採用活動を控える一方で、普段確保できないような優秀な人材が転職市場に出てくることを見越して、採用を積極的に行うベンチャー・中小企業も少なくありません。

企業規模にこだわりがないのであれば、大手以外の企業も視野に入れておくべきでしょう。

大手志望であっても、一旦　ベンチャー・中小企業へ入社してスキルアップを試み、転職市場が落ち着いてところに再び転職活動を行うというのも一つの方法です。

1-3.コロナショックにより需要が高まっている企業

コロナショックによって、むしろサービスの需要が高まっている企業も少なくありません。

例えば、外出自粛・在宅勤務などの影響により、フードデリバリーや配送サービスへの需要は増加傾向にあります。

また、海外の例ではありますが、米Amanzonでは、需要急増により10万人の追加雇用を行うことを発表しました。（参考：

Yahoo!ニュース）

このように、企業や業界によっては、むしろ人手が足りないという状況になっていることもあるのです。

2.転職したほうがいい？今すぐ転職活動を行うべき人の特徴

コロナ禍で、今すぐにでも転職活動をするべき人の特徴は以下の通りです。

• 現在失業中の人
• 今の仕事に苦痛を感じ、耐えられない人

それぞれについて解説します。

2-1.現在失業中の人

コロナウイルスによって失業してしまった人は、積極的に転職を行うべきです。

なぜなら、経済が停滞していくと、求人数は減少し、なおかつ採用基準が高まり、年数を経るごとに再就職が難しくなるからです。

実際に、リーマンショックの際、2009年の有効求人倍率は0.42倍にまで落ち込み、2013年まで1倍を上回ることはありませんでした。

今回のコロナウイルスはリーマンショックを上回る規模の恐慌をもたらすと言われています。

経済の停滞が本格化する前に、転職を済ませられるように動くべきです。

2-2.今の仕事に苦痛を感じ、耐えられない人

コロナウイルスによって、各社の福利厚生が明らかになりつつあります。

「テレワークの体制が整っていないから出社しろ」

「サボってないか確認するために1時間おきにビデオ通話を行う」

という態度をとっている企業も少なくありません。

このような現職に対する苦痛を感じている場合は、転職活動の準備だけでもしておくと良いでしょう。

ただ、現状の転職はリスクが高いため、必ず転職活動は在職中に行うようにしてください。

3.コロナ禍後の世界経済の見通し

COVID-19の流行は短期的なものであると考えられています。

実際に、IMFの世界経済見通しによれば「2020年は世界のGDP合計は‐3％の大幅な落ち込みを見せるが、2021年は+5.8％になる」と言われています。

日本も+3%と上向き予想です。

経済が上向いてきたときに、好条件の求人は発生するため、コロナウイルスの収束まで転職活動を待つのが賢明でしょう。

まとめ：この時期の転職は今以上に慎重に！

今の時期の転職は正直おすすめできません。

現在需要が高まっているからといって、転職を志望する理由を固めずに転職活動を行うと、就業後に自分のモチベーションが保てなくなりますし、そもそも採用面接に合格できません。

また、コロナウイルスでの需要拡大がいつまで続くという保証もありません。

自分の転職理由と必要性を洗い出し、どうしても　転職しなければならないという場合以外は、今は待ちの一手です。
あなたの転職の成功を心よりお祈りいたします。